KinoPlasmat 90mmF1.5

キノプラズマト90mm2本(F1.5とF2)を今回知人にお借りして色々と撮影をしてきました。このレンズBENTZIN REKORD-PRIMAR 6x9cmというカメラのレンズで、F1.5にして6×9の画角を持っております。エルネマンのエルノマックスのコピーカメラなんでしょうね。しかしキノプラスマトF1.5のレンズ中で一番長く重いレンズとも言っておきましょう。開放では、他の長さのレンズと同じく破壊的な(球面収差、非点収差)ボケを描きだしてくれます。本来は中判の画角で使いたいのですが,バックフォーカスが短いため、ペンタ645でさえ難しいと思います。 中判で撮影を行いたい方は、このレンズに付いているカメラそのものを使用するか、フォーカルプレーンシャッターのスピグラで使用する方が良いでしょうね。 このレンズが付いているカメラを探すのも大変でしょうね、全てレアなカメラですから。

Plasmat 90mmF2

キノプラズマトにはF1.5とF2が存在しています。このF2は90mmF15と同じく 6x9をカバーできる画角を持っていますが、4x5には少し届かなったのが残念です。 ナイトカメラの1種のレンズだと憶測致します。100mmF2と言うレンズも存在しています。 下の写真は、フォーカルプレーンシャッターのスピードグラフィックに付けて撮影しました。35mmカメラで撮影すると、周辺はカットされてプラズマトの特徴であるグルグルぼけはほとんど出てきませんがヌメッとした色合いの描写特徴は出てくるようです。ただやはり大きなフォーマットのカメラで撮影する事をお勧めします。

1925年にエルネマン・ベルケ社がF1.8のレンズを製造し,これを自社のカメラに使用した事のよりナイトカメラ(Nachtkamera)の時代が始まったようです。その後シュレンジェン地方のオプテッシェン・アンハルト・フーゴ・マイヤー・イン・ゲーリッツ社がF2とF1.5のプラズマット(Plasmat)レンズを作り、イゲハーの『ナイト』カメラのの道を開いたと東ドイツのカメラの全貌でフンメル氏は書いてあります。1929年のライプチヒ春の見本市で2つのモデルが発表されました。4,5×6cm 型式2500型と6.5×9cmの型式2510型であった。このカメラの生産は1929年3月から小規模に始まりました。1930年の春の見本市では、取り外せるピントグラスの付いたれレフレックスシステムを持っていました。フンメルの本では、29年版のカメラの個体はほとんど無く非常に珍しいものだと書いてあります。これはレフレックス使用にほとんど改造されたのではないかと言う憶測です。 このカメラで使われたプラズマットにはキノと言う名称は存在していなかったようです。マイヤー社は同じ構成のレンズ使う用途によって名前を変えています例えば大判のザッツプラズマットドッペルプラズマットは同じ構成です。前者はシャッター付きのレンズがほとんどで、後者はバーレルレンズでシャッター付きではないと言ったように(両方を総称でダブルプラズマットと呼んでいます),キノプラズマットもプラズマットも同じような状況かも知れません。