KinoPlasmat 50mmF1.5

癖玉の王様と言ってもよいのではないかと思うほど面白いレンズです。 もともとシネサイズ用として設計されているからか、35mmフルサイズでは周辺に破壊的なボケが出てきます。開放時の後ボケがぐるぐるになるのですね。 グルグルぼけがみられる他社のレンズもありますが、このレンズは単なるグルグル描写のレンズとは一線を画すのです。 色や立体感、質感が断トツに良く、フイルムのキャンバスに描く絵画のような描写がこのレンズで得られます。私はプリントやポジを整理している最中に、いつも目を留めてしまう、それほど違っています。 全体の描写をじっくり見て欲しいレンズですね. このレンズのバージョンは色々ありますが、ライカスクリュウマウントにはシネ用からの改造レンズが多い。私の所持している個体は真鍮のしっかりした重厚な作りです。 描写はもう説明しなくとも開放では、フレアなど滲みも、ボケも結構、破壊的な描写をしていますが、被写体の立体感などは抜群です。 F5.6や8からは比較的落ち着いた描写となります。まあF5.6までなら癖玉を楽しめると思います。

キノはプラズマートは初期にプラズマット銘もあるようです。 マウントはライカスクリュウマウント、コンタックスCXマウントなどがあり、 マイヤー社は35mmスチルカメラ用高速レンズとして世の中に送り出したと思われます。キノプラズマット製造当時はゾナーの50mmF1.5が一番の高速レンズで、対抗できたのは このキノプラズマットのみでした。